映画「すずめの戸締まり」感想

映画「すずめの戸締まり」ネタバレあり感想

新海誠監督の新作劇場版アニメ『すずめの戸締まり』を映画館で観てきました。

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あらすじ

九州の静かな町で生活している17歳の岩戸鈴芽は、”扉”を探しているという青年、宗像草太に出会う。草太の後を追って山中の廃虚にたどり着いた鈴芽は、そこにあった古い扉に手を伸ばす。やがて、日本各地で扉が開き始めるが、それらの扉は向こう側から災いをもたらすのだという。鈴芽は、災いの元となる扉を閉めるために旅立つ。
(引用:シネマトゥデイより)

映画「すずめの戸締まり」を映画館で観てきたよ!

Amazonプライムビデオで公開されていた冒頭12分映像をうっかり観て、気になって映画を観てきたさくらです。こんにちわ。

映画「すずめの戸締まり」映画館で観てきた感想

2022年11月11日に公開された新海誠監督の新作劇場版アニメ『すずめの戸締まり』、わたしの心にブスッと刺さったのは、主人公のすずめちゃんでもなく、すずめちゃんが出会った草太でもなく、後半から登場する草太の友人の芹澤朋也(CV:神木隆之介)でした。

※原作小説未読
※感想はネタバレばかりですので、まったく知りたくない人は閲覧を控えてください。

マイ解釈によるざっくりストーリー

九州の静かな町で暮らす17歳の岩戸鈴芽(すずめ)は、自転車通学の途中に一人イケメンの青年に出会う。

近くに廃墟と『扉』があるかと聞かれたので、山中に人が住まなくなった集落があると教える。

学校へと自転車を入らせるが、どこかで会った気がする。

青年が気になった鈴芽は、青年が向かったであろう廃墟へと行先を変更した。

そこに青年はいなかったが、朽ちた建物の中に大きな水たまりがあり、中央に古い『扉』だけがポツンとある。

なんとなく『扉』を開いてみたら、『扉』の中には星の煌めく美しい世界が広がっていた。

懐かしいような光景に『扉』を通ってみるが、すり抜けてしまってその美しい世界には入れない。

水たまりに浸かった『扉』の近くには小さい不思議な置物があり、引っこ抜くとそれは凍結が溶けて猫になって逃げていってしまった。

不思議な『扉』をそのままにして学校へ登校する。

教室から窓の外を見ると、あの廃墟がある場所から煙が見えた。

火事かと思ったが、周囲の友人たちにはまったく見えていない。

緊急地震速報があり、再び外を見ると、あの煙は蛇のように空に向かっていた。

嫌な予感がしたすずめは、再び『扉』へと向かう。

朝、廃墟の場所を聞いた青年が禍々しい黒いものが溢れ出ようとしている『扉』を一人で必死に閉めようとしていた。

すずめと青年の二人がかりで何とか『扉』を閉める。

すずめを助けるために怪我を負った青年を自室へと招き、そこで自己紹介をしあう。

青年は、宗像草太と名乗り、各地にある災いを呼ぶ『扉』を閉めて回っていることを話したが、そのときに要石だった猫・ダイジンに「おまえ、嫌い」と言われ、椅子の姿に変えられてしまう。

SNSでの目撃情報を元に、ダイジンを追いかける旅が始まる。

要石というよりは人柱的な?気になるアレコレ

ちょっとすれ違っただけの草太に、なぜすずめがあそこまで惚れちゃったのか、いまいちよくわからず、そこはちょっと消化不良気味ですが、単なる一目惚れに深い理由はないのかもしれない。

つい、深い理由を求めてしまうのは、わたしの悪い癖のようなものです。

最初、気になっていたフェリー等でのすずめの支払いについて、いったいどうなっているんだろうかと思ったら、観ている過程で疑問は解消されたので、その点はよかった。

きっとあんな簡単に観覧車の電源は入らないだろうとか思ったりもしたけれど、そのあたりも物語なので、気になってもちょっと置いておくことにする。

あまり詳しくないですが、要石は鹿島神宮や香取神宮に実際にあり、かなりの部分が地中に埋まっていて、決して動かしてはならないとされていたかと思います。

もしかしたら、わたしが知らないだけで、他の地域にも要石はあるかもしれません。

この映画で出てきた要石は、抜かれると猫になっていたことから、人柱のような封印石の意味合いのほうが強いのかもしれませんね。

それを勝手に引っこ抜いたら、通常だと罰が当たりそうですが、すずめはその神に好かれていますし、ダイジンの孤独っぷりが伺えます。

今回の映画では、3.11の東日本大震災が出てきます。

作品における閉じ師の役割が、災いが起きないように各地にある『扉』を閉めてまわることだとしたら、震災が起こったのは、閉じ師は『扉』を閉めそこなってしまったからなのか、一言でも言及されていれば、わたしはあとから気になることもなかったのかなと思います。

(知られていないけれど古くから日本を守っている『〇〇師』というのは、人知れずまだいらっしゃって土地を守っているのではないかと思っています)

すずめの子には、なれなかった

最初に「うちの子になる?」と聞かれて、「なる」と答えたダイジン。

そのあと、かなりすずめと草太を振り回しますが、要石の役割があったとはいえ、誰もいない、寂しく寒い場所に一人(一神?)だけでずっと……というのは、とても寂しい。

だから、要石に戻りたくなかったのでしょうね。

要石から解き放たれて、すずめのところに来たときはかなり痩せていた。

人が住まなくなって誰もいなくなっても、やがて人が信仰を忘れても、そこを一人で守り続けていく神の孤独を、そこの礎として氷になっていくことで表現されているように感じてしまった。

まあ、要石と人柱、封印石では少しずつ意味合いが変わってきますが、せっかく解き放たれたのに、すずめに「大嫌い」と言われてしまうし。

好き嫌いの感情の振れ方は、若いときならではだなと思います。

大人は、好きだけでは突っ走れないときがあるし、嫌いだからといって面と向かって嫌いとは言えない。

だからでしょうか……おばさんは、若い高校生のすずめちゃんより、ダイジンのほうに感情移入してしまったようです。

色々やっていたことは、教えようとしていただけだった……喋れるなら言葉で伝えればよかったのにとは思うけど、それを「お返し申す」で返されてしまい、ダイジンは再び要石になる。

なんと人は傲慢なのかと、わたしはどちらかというと、土地神や信仰に興味があるほうなので、なんとも切なくなって号泣してしまった。

当然の結果、一番滾ったのは芹澤くんだった

映画を観ていて一番心が躍ったのは、草太のイケメン描写でもなく、二人が『扉』を閉めるシーンでもなく、常世の美しさでもなく、すずめと草太がダイジンを追うシーンでもなく、草太のアパートを訪ねてきた宗像草太の友人の芹澤くん。

芹澤くんが出てくるまで、結構冷静に色々考えながら観ていましたが、登場したとたん、パーンと飛びました(笑)。

アクセサリーじゃらじゃらの見た目、屋根が壊れてるオープンカー、80年代懐メロ、意外と気遣い屋さん、友情パワーでよく事情もわからないのに東京~宮城間をドライブしてくれるとか、何がそんなによかったのかわかりませんでしたが、心にブスッと何かが突き刺さりました。

懐メロのチョイスも、好き勝手かけているのかと思えば、ちゃんと選曲していたところもニヤニヤしてしまう。

監督は、もしかしたら環さんとくっつけたかったのかなと思わなくもないですが(入場者特典未読です)、物語でむしろくっついている描写があったらここまでときめかなかったと思うし、普通に終わってくれてよかったと思う。

キャラクターの背景やその後は妄想するのが楽しいのよね!

感想まとめ

個人的に突っ込みどころが満載ではありましたが、トータル的に面白く観られました。

賛否両論のある3.11描写は、人によって印象が大分変わるかなと思います。

被災地の表現は映像も音楽も美しい描写ですが、日本で廃れていく土地や信仰などを描いているシーンが少し少なく、かえって震災のほうに重きを置いている作品と感じて意見が分かれてしまったのかなと思わなくもないです。

3.11は後世に伝えていかなければならない大事なことですが、当時のことを考えると辛くなる人は、映画視聴は避けたほうがいいかもしれません。

映画『すずめの戸締まり』 概要

2022年11月11日公開 122分

<スタッフ>
監督・原作・脚本:新海誠
音楽プロデューサー:成川沙世子
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:土屋堅一
美術監督:丹治匠
音楽:RADWIMPS 陣内一真
主題歌:十明
制作プロデュース:STORY inc.
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム

<主題歌>
RADWIMPS「カナタハルカ」「すずめ feat.十明」

<キャスト>
岩戸鈴芽:原菜乃華
宗像草太:松村北斗
岩戸環:深津絵里
岡部稔:染谷将太
二ノ宮ルミ:伊藤沙莉
海部千果:花瀬琴音
岩戸椿芽:花澤香菜
芹澤朋也:神木隆之介
宗像羊朗:松本白鸚

(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会

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この記事を書いた人

「進撃の巨人」「文豪ストレイドッグス」「ユーリ!!! on ICE」「Free!」「TIGER & BUNNY」「PSYCHO-PASS サイコパス」などのアニメが好きなアラフォーのオタク。気がついたら手遅れな腐女子だった。
アニメが大好き、現在は推しのねんどろいどをカスタマイズするオビツろいど、ねんどろいどどーる(ねんどーる)にどはまり中。
音楽はX JAPAN・嵐が好き。神社やパワースポットも大好き。
母がキスマイ・松坂桃李くんファンなのでミーハーは遺伝だと思ってる。

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