映画「64‐ロクヨン‐前編」を劇場で観てきました。
ネタバレありと書いていますが、映画は前編しか公開されていないので、原作未読のわたしが書いていますので、後編を含むこの作品全体の決定的なネタバレはありません。
前編は、昭和64年に起こった事件が未解決のまま時効まであと1年となり、再び模倣事件が起こるまでを描いています。
重厚なストーリーで面白かったので、後編もぜひ観に行きたい!と思う作品でした。
解説・あらすじ
解説
『半落ち』などの原作者・横山秀夫が執筆した小説を、佐藤浩市ほか豪華キャストで映画化した犯罪ドラマの前編。平成へと年号が変わる直前の昭和64年に起きた未解決の誘拐事件「ロクヨン」をめぐり、県警警務部の広報官を主人公に警察内部の対立や県警記者クラブとの衝突などを浮き彫りにしていく。監督は『ヘヴンズ ストーリー』などの瀬々敬久。主演の佐藤のほか、綾野剛、榮倉奈々、瑛太らが出演。緊張感あふれる演出と演技で描かれる、お蔵入り事件の謎や登場人物たちの確執に注目。あらすじ
わずか7日で終わった昭和64年。その年に起きた少女誘拐殺人事件、“ロクヨン”から14年が経過し、未解決のまま時効が近づいていた。そのロクヨンの捜査に携っていた警務部秘書課広報室の広報官・三上義信(佐藤浩市)は、記者クラブとの不和、刑事部と警務部のあつれき、ロクヨンを模倣したような誘拐事件に直面し……。(引用:シネマトゥデイより)
映画感想
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かなり重厚なストーリーで、正直あまり覚えきれていませんので、少し抜けがあるかと思いますが覚えている限りの感想をまとめてみました。
※原作未読
※映画初見での感想なので、解釈などが違う可能性があります。
※ネタバレが含まれますので、知りたくない場合はご注意ください。
マイ解釈によるざっくりストーリー
わずか7日間しかなかった昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件──通称「ロクヨン」。
当時、刑事をしていた三上義信(佐藤浩市)は追尾班としてかかわった事件だったが、犯人の言われたとおりに川に身代金の入ったトランクを橋の上から投げ捨てたが犯人を特定することができず、誘拐された少女は車のトランクから無残な姿で発見された。
それから14年経った平成14年、三上は刑事課から県警本部警務部秘書課広報室広報官へと配置換えされていた。
時効まであと1年という時期になり、警察庁長官がロクヨン事件の慰問にくることになり、三上はロクヨン捜査班を通さずに直接被害者の父・雨宮芳男(永瀬正敏)に連絡と取り自宅訪問の許可を取り付けるようにことに県警本部警務部長でキャリアの赤間(滝藤賢一)に支持されるが、雨宮からはその必要はないと拒絶されてしまう。
娘を亡くした雨宮はその後、妻も亡くし一人になっていた。
記者クラブにも激励や視察は取材をしてもらいたいけれど、とある事件の加害者女性の実名を公開しないという警察側の決定に腹を立てた記者クラブは警察に不信感を抱き、抗議文を本部長に提出しようとしたところもみ合いになってしまう。
不可抗力で三上が文書を破いてしまったことで取材拒否されてしまう。
三上は雨宮がなぜ頑なに拒否するのか、なぜロクヨン捜査班を通さずに直接雨宮と交渉するように命令されたのかなどを調べるうちに、ロクヨン事件での警察側の不祥事を知ってしまう。
雨宮はすべて知った上で警察を信用できないと思っているようだった。
さらに、刑事部長を更迭して警察庁からの派遣人事に発表をするらしいと知った刑事側からも突き上げをくらい、もめごとの板挟み状態に・・・。
雨宮が長官の来訪を許可してくれて、警察庁長官が来る当日、まるでロクヨン事件の再現と思われるような誘拐事件が起きてしまうが・・・というお話です。
幸田メモ
ロクヨン事件は、三上が調べると事件当日のミスが発覚してそれを隠蔽工作していたという事実が出てきます。
キーワードは「幸田メモ」。
元同僚で退職した望月(赤井英和)がポロッと漏らしてしまったことで、「幸田メモ」の存在を知った三上は調べまくります。
文字通り、幸田が書いたメモだから「幸田メモ」で、ロクヨン事件の不祥事について書かれているものです。
そしてその不祥事の内容を被害者の父の雨宮は知っていたんですね。
犯人から入電があったときに起こった不手際で、それを気に病んだ当事者の日吉浩一郎( 窪田正孝)は、あの日から14年も自室から出てこずに引きこもっていたほどの内容でした。
あちらを立てればこちらが立たず・・・
記者クラブは警察をまるで信用していませんでした。
ずっと別の事件の加害女性の名前の公開にこだわっていて、それが警察側から名前を公表されないので揉め続け、広報室とは意思の疎通ができない膠着状態になっていました。
その記者の中でも 秋川(瑛太)が中心的人物なのかかなり突っぱ、それに対する抗議文を出そうとして決定的に亀裂が入ってしまいます。
三上が最終的に体当たりで記者クラブに本音でぶつかったことで何とか意思の疎通ができるようになりましたが、こちらを立てたばっかりに警察内で広報室は浮いてしまい、ロクヨン事件の模倣事件が発生したときに何も知らされなかったりします。
あちらを立てればこちらが立たず・・・みたいなそんな状態のまま後編へ。
三上自身の家庭の問題も・・・
色々な内容が錯綜している映画ですが、三上自身も家族に問題を抱えています。
部屋に引きこもっていた娘に、自分と顏が似ていて嫌だから整形をしたいと言われたが拒絶してしまったことで、娘は失踪してしまい、行方知れずになっています。
映画前編では、この問題は解決していません。
映画を観たさくらの感想まとめ
前編は、昭和64年に起きた事件と、時効まであと1年となった平成14年に警察庁長官が慰問にやってくることで色々発覚した当時の不祥事について、広報官になった三上と県警記者クラブの軋轢についてが大まかな内容です。
テレビCMや予告などで使われるロクヨン事件の模倣された事件については、前編では事件が起こったところで終わっているので、続きは後編となります。
ミステリ的な展開ですので前編は伏線がかなり多かったですが、またもや寝不足で観たわりに眠気はあまり訪れずにしっかりと観ることができました。
このあたり、寝不足で映画を観た場合、わたし的にいまいちな内容だと居眠りをしちゃうので、映画面白さバロメーターとしてはわかりやすいかも(笑)。
滝藤さん、最近本当によく色々な作品でお見かけしますが、嫌な役柄もうまいですね・・・!
瑛太さんが演じる秋川は、記者クラブでも中心人物的存在のようだったので、もう少し年齢が上の俳優さんのほうが佐藤浩市さんの三上とのバランスが良かった気がしなくもないんですが、別に嫌いじゃないです、ああいうツンツンして反発するタイプ(笑)。
三浦友和さんが演じる松岡という役は前編はあまり登場しなかったので後編に出張ってくるのでしょうか?
最近、わたしが気になる役者さんの窪田正孝さん、今回の日吉はイケメンっぽさは前編ではまったく出てないです(笑)。
原作未読なのでわかりませんが、前編ではもさもさだったので小奇麗になって登場するのかな?
後編も映画館で観たいと思います・・・!
映画「64‐ロクヨン‐前編」予告動画
映画「64‐ロクヨン‐前編」概要
映画「64‐ロクヨン‐前編」
<スタッフ>
原作: 横山秀夫「64(ロクヨン)」
監督・脚本: 瀬々敬久
脚本: 久松真一
音楽: 村松崇継<主題歌>
小田和正「風は止んだ」<キャスト>
三上義信 : 佐藤浩市
諏訪 : 綾野剛
美雲 : 榮倉奈々
三上美那子: 夏川結衣
目崎正人 : 緒形直人
日吉浩一郎: 窪田正孝
手嶋 : 坂口健太郎
柿沼 : 筒井道隆
村串みずき: 鶴田真由
望月 : 赤井英和
漆原 : 菅田俊
日吉雅恵 : 烏丸せつこ
御倉 : 小澤征悦
蔵前 : 金井勇太
三上あゆみ: 芳根京子
石井 : 菅原大吉
落合 : 柄本佑
辻内欣司 : 椎名桔平
赤間 : 滝藤賢一
荒木田 : 奥田瑛二
二渡真治 : 仲村トオル
幸田一樹 : 吉岡秀隆
秋川 : 瑛太
雨宮芳男 : 永瀬正敏
松岡勝俊 : 三浦友和 他
コメント
「64(ロクヨン) 前編」
後編が待ち切れない。こんな気持ちは久々だ。昭和最後の7日間に起こった少女誘拐殺人事件。通称「64(ロクヨン)」。時効まであとわずか一年に迫った平成14年、事件は大きく動き出す…。そうか、昭和64年って、平成元年って、もはやこんなにノスタルジックな風景なのか。…当然息子達は生まれている筈もなく、道道が日の丸の半旗を掲げている通りの風景や、小渕官房長官がブラウン管の向こうで「新しい元号は‘平成’です」と楷書を掲げた光景は、彼らにとってはもはやあまりにも映画的なシーンなのであろう。知らない世界。想像力を掻…